「 石狩の種 」から生まれた「 ゆらり種 」

ひさしぶりに種シリーズの新作が出来ました!直径25センチの大きな丸い種です。
芽の部分を押すと前後にユラユラ揺れはじめ、止まるまで約2分間。ゆったりとした時間が流れます。
この種が生まれるまでを、紹介します。

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2000年にオープンした石狩市民図書館・子供コーナーの閲覧テーブルには7つの種が取付けられています。

その中で一番大きな「石狩の種」の芽が何かの事情で、根元のところから折れてしまいました。うさぎの耳のような形が楽しくて、きっと子供たちが可愛がり過ぎた?のでしょう。通常の修理では不安なので、バージョンアップした芽を作り直すことにしました。

木の材質をブラック・ウォールナット(黒クルミ)から、ムラサキ・タガヤに変えました。タガヤサンは鉄刀木と書く、とても硬くて重い木です。出来上がった芽は、形も以前より太めで見るからに、たくましく成長しそうです。

木のものは手入れしながらいつまでも使えるので、古いものほど風格が出てきます。種の丸い部分は4年経っているので、人の手に触れたぶん良い風合になっています。

7月22日、生まれかわった「石狩の種」を取付けに行きました。お天気が良かったので、草原に種を置いて図書館のイメージ用に写真撮影。

この日は夕方から「石狩市民図書館とあゆむ会」主催の図書館交流会が催され、6月1日に第9回公共建築賞優秀賞を受賞した報告とお祝いがありました。

無事、こどもコーナーに戻った「石狩の種」
壁のペイントは影絵のように、大きく育つイメージで描かれています。
閉館直後の夕方の陽射しの中で、静かなひとときでした。

そして、私の所には古いほうの芽(黒クルミ材)が残りました。根元の部分は折れましたが、とても良い風合いになっています。触っているうち、これに似合う新しい種を作ってみたくなりました!

「丸くて、大きくて、ゆったり、ゆらゆら・・・」そんなイメージで倉庫の材料を探していると、桑の切り株がありました。15年位前、近くの幼稚園の樹を切った時にいただいた材です。枝が二股になっているY字型の切り株でしたが、チェンソーで丸く荒削りしてから種に仕上げました。

ゆらゆら揺れる工夫は、底の部分にあります。底面がゆるいアーチ型に削ってあり、それに沿って揺れるのです。これはウイスキーのビンが、ヒントでした。

この材料は自然乾燥で割れやシミなどあり、節も多かったのですが、ていねいに仕上げると特徴がはっきり出て素敵な種になりました。こうして、「石狩の種」から「ゆらり種」が生まれたのです。