紙やすりのこと
木工の「陰の功労者」と呼べるのが、サンドペーパー(研磨布紙)です。切ったり、削ったり、組立てたり・・・これらの加工の次には、かならずお世話になりますね。
研磨布紙の始まりは、12世紀頃より乾燥した鮫皮でものを擦り磨いていたらしく、13世紀になると中国では貝殻をゴム質樹液で羊皮紙や皮につけてつけて使っていたようです。今は、貝殻から人工研磨剤へ、ゴム質樹液はニカワ、レジンへ、羊皮紙は紙、布へと発展して多様な製品が作られています。
市販の紙やすりは、研磨剤の粒子の粗さで分けられ、番手で表示されています。実際の木工に使うときの目安としては、おもに80~400番を用途に合わせて使います。また、機械サンダーより手でかける時の方が一段階細かい物を使った方が良いでしょう。
80番~100~120番(荒い)・・・・・・・・・サンダーによる粗削り、形の成形、荒肌仕上げ
180番~240番(中くらい)・・・・・・・・・・・素地の仕上げに最も良く使う。
320番~360~400番(細かい)・・・・・・塗装前後の調整
600番~800~1000番(ごく細かい)・・堅木の超仕上げ、塗装後の表面みがき
(裏が黒い油紙のものは、水/油砥ぎ用)
平面を手でかける時は、基準面ができるようにキャラメルの箱くらいの木片に紙やすりを巻きつけて使います。荒いペーパーで乱暴に磨いたキズは、意外と残るので木目に沿って均等にかけてください。
昔からある薄茶色の紙やすりは、研磨材に天然のガーネットを使っているのですが、表面が白色のもの(スリーエム製など)は、目詰まり防止剤を塗布してあります。こちらの方が断然よく削れます。また、ベルトサンダーのベルトも、従来の茶色のアランダム(褐色酸化アルミナ)から、最近のセラミック砥粒のものまでいろいろと進化しているようです。
ところで、紙やすりは使い捨ての消耗品だと思っていませんか?
数回使ったものでも、表面についている削りかすを払えば、細かい少しソフトなものとして曲面の磨きや、塗装前の仕上げに使えます。また、プラスチック、陶器や金属も削れるので、買ったばかりの陶器の裏のザラザラ取りなど、日常にも利用できますよ。しかし、素材を削り取ってしまうので表面処理してあるものは注意してください。
また、健康のために削りかす(粉)を吸い込まないよう気をつけましょう!!
簡単なオイル仕上げについて
木工品の最後の仕上げ(塗装)のお話です。削ったり、サンドペーパーがけしたものを白木のままで使うのもいいですが、ほこりが付きやすく汚れが染み込むのが気になります。ですから、市販の木製品の多くは塗装仕上されています。この数年、安全性や作業時の健康に配慮した植物性オイル系の自然健康塗料に関心が高まっています。健康とエコロジーの思想から生まれた製品で、ドイツからの輸入品が多いのですが、価格が高いうえ販売店も限られるのが難点です。
そこで身近にあるオイルや素材の中から、このような仕上げに使えそうなものを試してみました。安全性については食品用オイルとして販売されているものなら大丈夫ということで使っています。
最近は、デパートの地下の食品売場にも植物性オイルがいろいろ並んでいますが・・・・
結果としてはサフラワー・オイル(紅花油)が、一番のおすすめです。
サンフラワー・オイル(ひまわり油)は乾くのが遅いようです。ウォルナッツ・オイル(くるみ油)も使えますが、クルミは実のほうが身近ですね。むき実を布にくるんで叩いて潰し、油のにじみ出たところで拭きます。クルミ材なら、親子塗り?でしょうか。
市販の自然健康塗料には乾きが早く塗膜が強い、リンシード・オイル(亜麻仁油)が主に使われていますが、乾性油(空気中の酸素の酸化重合で固まる)ならOKです。ゴマ油やオリーブ油は、乾かないので塗装にはむきません。
使い方は、いたって簡単!!塗って拭くだけです。
削ったり、サンドペーパーがけした素地がそのまま残りますので、仕上げは丁寧にしてください。塗って2~3分置いて、布でよくふき取ります。表面にしみこむだけですので、一回では濡れた色程度の仕上がりですが、乾いてからくり返せば濃くなります。また、何年も経つうちに、だんだんと良い色になって行きます。完全に乾かないうちは、油ジミが付くことがありますので注意してください。
わたしは自宅のカッティング・ボードを毎年一回、紙やすりをかけてからオイルを塗って使っています。汚れ止めになりますし、何度も手をかけるほど道具への愛着もわいてきますよ。